医院ブログ BLOG

虫歯とおやつの関係~回数・時間・質に注意~歯にいいおやつとは? Blog

歯科医 永田 さやか (ながた さやか)
スカイ&ガーデン デンタルオフィス 院長

成長期の子供、一度に沢山食べることができない子供にとって、おやつは栄養を補う食事の一つですから、栄養面で優れたものを用意してあげたいものです。

けれどついつい甘くて美味しくて、大人にとっても魅力的なスイーツを「パパ・ママも一緒に♡」になっていませんか?食事の後にはしっかり仕上げ歯磨きしていても、おやつの後まで磨いてあげているお父さん・お母さんはどれだけいらっしゃるでしょう。

「一生懸命仕上げ磨きしているのにどうして虫歯になるの?」と嘆く前に、乳歯のうちから虫歯を作らない為にも、歯の健康によいおやつの採り方についてお話しします。

虫歯は、糖分と細菌と歯質および時間的要因の相互関係から発生します。おやつの「回数」「時間」「質」に注意する事で、しっかり栄養をとりながら虫歯になりにくくすることができます。小さな時から歯磨きや正しい食習慣を身に着け、虫歯菌に感染しないようにしておけば甘いものを食べても虫歯になりにくいことが分かっています。

①おやつの回数

おやつは朝夕2回の食事の間(八つ時=午後2時くらい)に食べたものが始まりで、小さな食事でした。それが時代とともに変化して、日に何度でも食べることもあるようです。

普段の口の中は中性に近い弱酸性。ところが食べ物を口に入れた時から口の中は酸性に傾き、歯の表面のエナメル質がやわらかくなり始めます。酸が歯を溶かし始めるのです。歯からミネラル分が溶けだすことを脱灰といい、脱灰は虫歯の初期段階です。

(関連記事:歯が溶ける!?知覚過敏の原因、酸蝕症に気をつけましょう。~エナメル質を守る~

食べるたびに虫歯のリスクにさらされるわけですからおやつを食べる「回数」は少ないほど良いのです。3歳までは一日2回、3歳を過ぎたら一日一回が目安になります。

②おやつを食べる「時間」

虫歯リスクを考えると、食事時間は短ければ短いほどよいということになります。だらだらとテレビを見ながら食べ続けるのは最悪です。酸性になった口の中は唾液の働きでまた中性に戻るのですが、ダラダラ食べでは唾液の働きが間に合わないのです。

おやつをお昼寝の前にとるのは絶対に避けてください。寝ている間はだ液が少なくなりますから、お口の中は酸性の状態が長く続き虫歯ができてしまいます。

③おやつの「質」

おやつは甘いものというイメージがありますが、小さな食事として捉えていただきたいと思います。

歯に良いおやつ

  • 口の中を酸性にしないおやつ:チーズ、とうもろこしやじゃがいもなどの野菜、ナッツ、キシリトール
  • 口の中に停滞しないでさっと通り過ぎるおやつ:ヨーグルトやゼリー、観点
  • よく噛むおやつ:煮干し、するめ、おやつ昆布、季節のフルーツ

歯に悪いおやつ

  • 口の中を酸性にする食べ物
  • 粘着性のある食べ物:ヌガーやキャラメル
  • 口の中に長時間口に入れているもの:アメ、スナック菓子、クッキー
  • 歯に悪い飲み物:ジュース、スポーツドリンク、乳酸飲料、炭酸飲料

これらのおやつは大変魅力的ですが、与えすぎないように注意が必要です。時々「心の栄養」として楽しむ際には、食事とセットにして「まとめ食べ」をするといいでしょう。虫歯の原因は「甘いものを食べるタイミング」によることが大きいので、口の中が酸性になる時間が少なくなるよう工夫をすればよいのです。

(関連記事:虫歯治療

インビザライン日記 インプラント日記 医院ブログ 症例集