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知覚過敏の治療方法|発生メカニズムと合わせて解説 Blog

歯科医 永田 さやか (ながた さやか)
スカイ&ガーデン デンタルオフィス 院長

歯が痛い女性

暑い季節、アイスを思い切り食べたい!

だんだんと気温が高くなり、冷たい飲み物や食べ物が美味しい夏が近づいてきました。この季節、気になるのが知覚過敏です。水やアイスクリームなど、冷たいものがしみる知覚過敏とは、どのようなもので、どのような対処法があるのかをお伝えします。

知覚過敏の発生メカニズム

知覚過敏はどのように起こるのでしょうか?

それを解説するには歯の構造を少しだけ知っていただく必要があります。

歯は3層構造になっており、歯肉から出ている歯冠と呼ばれる部分は外側からエナメル質、象牙質、歯髄腔となっており、歯の根の部分は外側からセメント質、象牙質、根管となっています。

象牙質は象牙細管と呼ばれる細い管の集合体で、その管1本1本の中には象牙芽細胞という歯髄腔にある細胞の突起が含まれており、その部分が刺激を受けると歯髄に刺激が伝わります。歯髄には痛みを感じる「痛覚」しか存在しないため、「冷たい」という刺激も「痛み」に変わって脳へと送られるのです。

冷たい水などが刺激として象牙質を介して歯髄に伝わり、それを脳が「痛み」として知覚する、これが知覚過敏のメカニズムです。エナメル質は硬い結晶で構成されていて、水などの刺激をブロックするため、虫歯などになっていない限り、歯冠の部分がしみることはありません。

しかし、食いしばりなどでエナメル質が削れていたり、歯周病で歯肉が下がっていると、刺激を完全にブロックすることができないセメント質が露出してしまうため、冷たい水などが刺激となって、痛みを感じてしまうのです。

知覚過敏の原因

知覚過敏の原因はいくつかありますが、代表的なものが歯周病です。歯周病を発症すると、歯肉が下がってしまい、エナメル質のない歯根が露出してしまいます。セメント質は歯を支える歯槽骨から伸びた歯根膜繊維が付着する組織で、刺激をブロックすることができないため、刺激が加わると、知覚過敏が発生してしまうのです。

その他にも食いしばりや歯軋りなどが原因で歯と歯茎の境目周辺が削れてしまう楔状欠損、歯ブラシの圧が強すぎることによってエナメル質が削れてしまうなどが考えられます。

知覚過敏の治療方法

知覚過敏自体は虫歯などではないため、ご自身の日常生活に支障がなければ、無理に治療する必要はありません。

しかし、虫歯による冷たい水がしみるという症状も知覚過敏と同じような痛みをもたらすことがあります。この痛みの違いはご自身では判断することができません。

そのため、冷たいものがしみる、という症状が現れた時は、歯科医院でしっかりと診察して確認する必要があります。

知覚過敏の治療方法① 歯磨剤

知覚過敏になってしまった場合の対処方法をご紹介します。

まずご家庭でできる簡単な方法としては、知覚過敏用の歯磨き粉を使うという方法があります。乳酸アルミニウムや硝酸カリウムといった成分を含む歯磨き剤を使用すると、象牙細管が徐々に塞がれ、刺激を受けにくくなります。

痛みを感じにくくなるにはかなり時間がかかりますが、歯科医院になるべく通わずに治したいという方や、歯科医院での治療を補完したいという方におすすめです。

知覚過敏の治療方法② 薬品の塗布

次に軽い処置としては、知覚過敏用の薬剤を歯科医院で塗布するという方法があります。象牙細管を塞ぐ高濃度の薬品を用いる方法で、それを知覚過敏がある部分に塗布します。

歯を削ったりする必要もなく、処置自体も簡単なため、歯科医院では最初に行うことが多い治療です。保険適用となるため安価ですが、効果は個人差が大きいため、この処置で症状が改善しない場合は他の治療法を考える必要があります。

知覚過敏の治療方法③ 樹脂による封鎖

知覚過敏専用の薬剤を用いても症状が改善しない場合は樹脂などによって象牙細管を物理的に封鎖する処置が効果的です。

特に楔状欠損などは、欠けた部分に汚れが溜まりやすいため、樹脂を詰めることでそれを防ぎ、同時に知覚過敏を改善することができます。

ほとんどの症状はこの樹脂を詰める方法で改善することができますが、樹脂は取れやすく、必要に応じてわずかに歯を削る必要があったり、処置時にしみる症状が現れるなど、デメリットもあります。

また、詰めた樹脂の部分は汚れがつきやすいため、しっかりと歯磨きしていただく必要があります。

知覚過敏の対処はぜひスカイ&ガーデンデンタルオフィスにご相談を

特に冷たいものが美味しい夏の季節に厄介な知覚過敏ですが、さまざまな対処法があり、患者様の症状に合わせてご案内することができます。

しかしながら、知覚過敏と中等度の虫歯は同じような症状を程するため、本当に知覚過敏なのか、それとも虫歯ができているのかは歯科医院で診断を受ける必要があります。

スカイ&ガーデンデンタルオフィスでは、お口の状態を確認し、患者様に合った治療法や今後悪化しないために気をつける点などご案内させていただきます。

その後のメンテナンスなども承っていますので、ぜひ1度ご相談ください。

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