新型コロナウイルス感染症の影響でマスク生活が長引き、以前は気にならなかった口臭が気になるようになったという方も多いのではないでしょうか?口臭の原因はいくつかありますが、虫歯はその中でも重大な原因の1つです。
放置すると痛みなどの原因にもなるため、早めに対処する必要がありますが、仕事などで歯科医院にいくまで数日かかる、ということもあるでしょう。今回は、なぜ虫歯でお口の臭いが発生してしまうのか、その理由と、日常生活でできる短期的な対処法について解説していきます。
虫歯で口臭が発生する理由
■虫歯に挟まったり詰まったりした食べ物が発酵する臭い
虫歯が進行すると、歯が大きく欠けてしまい、その部分には食べ物が詰まりやすく、歯ブラシを当てても取りにくくなってしまいます。残ってしまった汚れは虫歯菌などの餌となり、その働きで発酵したり腐敗が進行してガスを発生させることがあります。これが悪臭の原因となってしまうのです。
注意していただきたいのは、神経を取る処置をした治療済みの歯に再び虫歯ができてしまう二次虫歯です。神経を取ることで痛みを感じないため、虫歯の穴が空いてしまったり、修復物の隙間に食べ物が詰まっても気づきにくく、口臭の発生リスクが高まってしまいます。
詰め物被せ物は一度治療をしたからといって、二度と虫歯にならないという事はありません。このような事態を防ぐためにも、ご自身で見つけにくい二次虫歯は定期的に歯科医院でチェックしてもらうと良いでしょう。
■歯の中の神経が腐ってしまった腐敗臭
虫歯が進行し歯の中の神経にまで虫歯菌の感染が及ぶと、神経は腐敗が進み、悪臭が発生します。神経まで到達した虫歯は最初は激痛を感じるのですが、神経が全て死んでしまうと、痛みを感じることができなくなるため、虫歯が進行しても気づきにくくなってしまいます。
■骨の中に膿が溜まることによる悪臭
さらに虫歯を放置すると虫歯菌が歯の内部で増殖するため、根の先の柔らかい骨の中に膿が溜まってきます。膿や、膿の産生に伴って発生するガスは腐敗臭がするため、お口の臭いの原因になってしまいます。この臭いは歯科医院で神経の治療を行わなければ取り除くことはできません。また、この状態で放置し続けると、歯は虫歯菌によって溶かされ、健康な部分が少なくなって残すことができなくなり抜歯せざるを得なくなります。
■歯周病が進行して臭いが発生
歯周病は歯の周囲組織におこる疾患で口臭の大きな原因の1つです。歯周病菌は食べ残しや磨き残しを餌に増殖し、歯を支える骨や靭帯、歯肉に炎症を引き起こし、破壊します。炎症が起こった歯肉は腫れて出血しやすくなり、「メチルメルカプタン」というガスを発生します。「腐った玉ねぎのようなにおい」と表現されるこの臭いが口臭の原因となります。
歯周病には初期症状が出にくいという特徴があります。進行して歯肉から歯周病菌の産生するガスや膿が出ていても気が付きにくいのです。特に痛みや見た目に変化はないけれど、なんとなく口臭が気になるという方は、歯周病が進行している可能性があります。
■親知らずが口臭の原因に
親知らずは虫歯や歯周病などの口腔トラブルの原因になりやすい歯です。真っ直ぐ他の歯と同じように生えている場合は問題になりにくいのですが、現代の日本人は顎の大きさが足りずに真横や斜めに生えていることが多く、骨に完全に埋まっていない場合は一部がお口の中に露出してしまいます。
親知らずの周りは汚れやすく、歯ブラシが届きにくいため、虫歯や歯周病になりやすくなり、口臭の原因にもなってしまうのです。スカイ&ガーデンデンタルオフィスでは、さまざまなトラブルの原因となる親知らずの抜歯も、口腔外科を専門とする歯科医師が解決いたします。
■口腔ケア不足による口臭
きちんと虫歯治療を行っても、口臭が再発することがあります。歯周病は再発を繰り返しやすく、虫歯で神経をとってしまった歯は根の病気や虫歯が再発しても気づきにくいのです。
また、歯周病が進行して骨が減った部分や歯の形や詰めた材料の性質によっては汚れがつきやすいことも考えられます。また、歯磨きの仕方が適切でない場合は、残った汚れによって同様に口臭が発生するかもしれません。
歯科医院では、虫歯のチェック・治療だけでなく、歯磨き方法の指導や、ご自身では取り切れない部分の専門的なクリーニングなども行うことができます。歯科医院で定期検診を受け、ご自宅でのホームケアを見直しながら、メンテナンスを受けなければ、口腔ケアが十分に行われず、口臭が再発してしまう危険性があります。
進行した虫歯の治療はスカイ&ガーデンデンタルオフィスで
進行した虫歯は、口臭の原因になるため、それを取り除くには治療が必要となります。口臭の原因になるような大きく欠けてしまった虫歯や、神経の部分まで進行した虫歯は決して自然治癒することはないからです。しかし、歯科医院が苦手、怖いなどの理由で、歯科医院を倦厭される方も少なくありません。
歯科医院へ行くのを躊躇っている間にも、虫歯は進行してしまい、口臭はさらに悪化してしまう可能性があり、抜歯になってしまう可能性が高まります。スカイ&ガーデンデンタルオフィスでは、なるべく削らない治療を心がけ、痛みに配慮していますので、お困りの方はぜひ当院へご相談ください。
虫歯や口臭のリスクを下げたい方は定期検診をおすすめします
虫歯は進行してしまうと歯が大きく欠けるなど、痛みなどだけでなく口臭の原因にもなってしまいます。しかし、ごく初期の虫歯であれば、削ったりすることなく、ミネラルを補充したり、フッ素を塗る、虫歯菌を減らすサプリメントを利用するなどの対処法で改善することができます。そのような初期虫歯はご自身では気づきにくいため、おすすめなのが定期検診です。定期的にお口の中をチェックし、必要なメンテナンスを受けることで、虫歯や磨き残しによる口臭などを効果的に防ぐことができます。
ご家庭でできる短期的な応急処置
虫歯や歯周病による口臭は歯科医院で治療をしなければ根本的には解決しませんが、お仕事や学校、歯科医院の予約状況などによってはすぐに歯科医院を受診できるとも限りません。最後にご家庭で簡単にできる対策をご紹介していきます。
■重曹を利用したうがい
重曹はお菓子作りなどに利用される調味料です。小さじ半分程度の食用重曹をコップ1杯の水に溶かしたものでうがいすることで、口臭をある程度防止することができます。
■キシリトールの利用
キシリトールはしっかりとした甘みがありながら、虫歯菌に分解されても歯を溶かす酸が作られない特殊な糖類です。
また、キシリトールガムは、噛むことによって唾液の分泌を促進させるため、口臭の原因にもなる口腔乾燥症状の改善にも役立ちます。
■デンタルリンスの活用
デンタルリンス、マウスウォッシュ、うがい薬と呼ばれるものには殺菌成分が含まれています。歯にこびりついた汚れなどをうがいだけで取り除くことはできませんが、殺菌効果によって、ある程度は口臭を防ぐことができます。
■補助器具を使った歯磨き、舌磨き
口臭の主な原因は歯に残った汚れです。歯ブラシの使い方も大切ですが、デンタルフロスや取っ手のついた糸ようじなどを活用することで、より効果的に歯垢を取り除くことができます。また近年話題になっている舌の汚れ、舌苔(ぜったい)も口臭の原因になると言われています。
舌の汚れも専用の舌ブラシで取り除くことができるので、舌が白色だったり、黄色や黒色だったりすることは歯科医師にご相談ください。お手入れ方法をお教えいたします。
■こまめな水分補給
お口の中が乾燥すると、細菌の活動が活発になり、口臭が発生しやすくなります。水分補給をこまめに行うことで、お口の乾燥を防いで口臭の発生を抑制することができます。
口臭が気になる方はなるべく早く歯科医院へ
虫歯や歯周病などによる口臭は、短期的に抑えることはできますが、根本的には歯科医院での治療を受けなければよくなりません。
虫歯や歯周病はお口の中だけでなく、放置すると全身へも悪影響が及ぶ疾患です。
悪化すると歯を失ってしまったり、命に関わる疾患の引き金になることもありますので、痛みや違和感を感じた場合は早めにスカイ&ガーデンデンタルオフィスへご相談ください