前回記事で大人の歯ぎしりについて掲載しましたが、お子様の歯ぎしりに不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
大人の歯ぎしりと子どもの歯ぎしりでは原因が異なり、対処法にも少し違いがあります。もしものときに冷静に対処できるよう、事前に把握しておきましょう。
こちらのページでは、お子さまの歯ぎしりの原因や正しい対処法について分かりやすくまとめました。もしものときに備えたい方はもちろん、現在お子様の歯ぎしりでお悩みの方も参考にしてください。
子どもの歯ぎしりは「生理現象」としておこる
一般的に歯ぎしりは「ストレス」や「噛み合わせの不具合」などの原因がマイナスであるケースが多いですが、子どもの場合は違います。歯や顎骨の成長過程で生理現象として起こるケースがほとんどで、歯ぎしりをしながらしっかり噛める位置を探しているといわれています。成長とともに落ち着いてくるため、基本的に過度な心配はいりません。
子どもの歯ぎしりで注意が必要なケースとは?
いくら成長過程の生理現象だとしても、毎日続いたり大きめの音が鳴ったりすると本当に大丈夫なのか心配になるでしょう。以下の場合は注意が必要ですので、当てはまる方は一度歯科医院へご連絡ください。
明らかに歯が擦り減っている
歯ぎしりの強さには個人差があり、歯が擦り減るほど強い力がかかっている場合は、いずれ露髄(神経が表に出ること)してしまう可能性があります。強い痛みをともなうだけでなく神経を取り除く処置が必要になるため、早めの対処が必要です。神経を失った歯は、虫歯やヒビ、破折といったトラブルが起こりやすくなり、結果的に歯の寿命が大幅に短くなります。
歯が欠けている
健康な歯が欠けるのは噛む力が強すぎる証拠です。歯が擦り減るケースと同じように露髄する可能性があります。また、エナメル質の厚みを失うため、知覚過敏にも注意が必要です。
顎関節が痛む
顎関節は耳の前あたりに位置し、過度な負担がかかると痛みがでることがあります。成長期のお子様がいる方のなかには「関節の痛み=成長痛」と捉える方がいますが、顎関節の痛みはそれに含まれません。顎関節症を引き起こす可能性もあるため、早めの対処を心がけましょう。
子どもの歯ぎしりの正しい対処法
子どもの歯ぎしりは、問題がないケースとあるケースで対処法が異なります。
明らかに歯が擦り減っていたり、顎関節が痛んだりするようでなければ、基本的に経過観察で問題ありません。異常が見られたり、気になることができたりしたときは、早めに歯科医院へご連絡ください。
噛み合わせの調整やナイトガードの使用
歯の擦り減りや顎関節の痛みなど何らかの症状がでている場合は、歯科医院での処置が必要です。
全体の噛み合わせを確認し、問題があれば噛み合う面を調整します。
噛み合わせにそこまで問題がなければ、就寝中に装着して歯ぎしりを予防するナイトガードの使用をご提案します。はめることで上下の歯が接触しなくなるため、歯のすり減りや顎関節の痛み、歯ぎしり特有の音などを防ぐことが可能です。
歯型に合わせてマウスピースを作成するため、型取りが必要です。年齢的に型取りが難しい場合は、別の方法をご提案いたします。
お子様のお口をよく観察して正しく対処することが大切
成長過程の生理現象は、成長するうえで必要なこととして起こっているケースがほとんどです。無理にやめさせるのは成長に悪い影響をもたらす場合もあることから、基本的には子どもの歯ぎしりは経過観察としています。しかし、歯の擦り減りや顎関節の痛みなど症状がみられたときは、歯科医院での処置が必要になるため、1日に1回はお口のなかを確認したり、痛みがないか本人に確認したりするといいでしょう。判断が難しいという方は、お気軽に当院までご相談ください。