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お口の中に骨のでっぱりありませんか? Blog

歯科医 永田 さやか (ながた さやか)
スカイ&ガーデン デンタルオフィス 院長

「歯茎がボコッと出ている。これは病気?」と心配になっていませんか?
結論から申し上げると、それは病気ではありません。お口の中の状態は人によって様々で、歯列周りの歯茎に出っ張りがある方もいます。
今回は、歯茎の出っ張りが気になる方や、どうしていいか分からないという方に向けて、出っ張りの正体とその原因、対処法について分かりやすくまとめました。

お口の中にある出っ張りの正体は「骨隆起」

歯茎がボコッと硬く出っ張っているのは「骨隆起(こつりゅうき)」といい、歯に強い力が長期間かかることで徐々に作られていきます。大きさや数は人によって異なり、基本的に放置しても問題はありません。しかし、生活に支障をきたす場合は、手術をご提案することがあります。

骨隆起ができる原因

骨隆起ができる明確な原因は不明ですが、強い歯ぎしりや食いしばりをする方に多いと言われています。歯ぎしりや食いしばりはほとんどの人にある癖ですが、程度に差があり、強いと歯や顎骨に大きな負担がかかります。とくに就寝中の歯ぎしりには注意が必要で、健康な歯に細かなヒビが入ることも珍しくありません。過去に神経を取った歯であれば、歯ぎしりの力で破折することもあります。歯にかかる力は顎骨にも伝わるため、歯ぎしりや食いしばりの期間が長ければその分、骨隆起ができるリスクが高くなります。
また遺伝に起伏しているとも言われています。顎骨の形は遺伝しやすく、その結果骨隆起ができるケースも珍しくありません。遺伝かどうかが気になる方は、ご家族に確認してみましょう。

骨隆起は歯科治療に影響するのか

骨隆起があると、歯科治療や歯磨きのときに支障をきたす場合があります。具体的な内容を以下でみていきましょう。

型取りをするときにトレーがあたると痛い

ある程度進行した虫歯は、銀歯など型取りが必要な詰め物で対応します。型取りで使用するトレーによっては、骨隆起にあたって痛みを伴うことがあるため、注意する必要があります。専用のワックスを使えば、トレーのあたり方を変えられますので、痛みを感じたときは我慢しないで伝えるようにしましょう。

フィットする入れ歯が作りにくい

入れ歯は硬い素材でできているため、ピッタリのサイズで作ると骨隆起にあたって痛みを感じることがあります。骨隆起を避けて作成すると浅めの入れ歯になることから、外れやすい安定しにくいといった問題がでてきます。

歯の根元の磨き残しに注意が必要

歯の根元近くに骨隆起があると、歯ブラシの毛先を根元までしっかりあてることが難しくなります。根元の磨き残しは、虫歯だけでなく歯周病のリスクも上がるため注意しましょう。歯ブラシの頭の部分で骨隆起を傷つけないよう慎重に磨くことが大切です。頭の部分が小さい1本歯用のブラシだと、骨隆起にあたりにくいため磨きやすくなります。

骨隆起をこれ以上悪化させないためには

骨隆起が大きくなると、場合によっては除去するために外科手術を推奨する場合があります。見た目やお口のなかの感覚はスッキリすると思いますが、骨を削る必要があるため、術後の痛みや腫れがないわけではありません。
外科手術を回避するには、これ以上悪化しないように歯ぎしりや食いしばりを防ぐことが大切です。無意識にしている方も多いため、上下の歯を接触させないためのナイトガード(専用のマウスピース)の使用をおすすめしています。

骨隆起が気になる方は歯科医院へご相談を

骨隆起は、基本的に放置していても問題はありません。しかし、食いしばりや歯ぎしりの習慣がある方は、徐々に大きくなる可能性が高いため注意が必要です。
骨隆起が大きくなると、歯科医院での型取りや入れ歯製作、普段のお手入れに支障をきたすことがあります。自然と骨隆起がない状態に戻ることはないため、気になる方は早めに歯科医院へご相談ください。

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