歯周病とは、口の中の細菌によって歯茎に炎症が起こった状態を指します。そんな歯周病ですが、「人から移ることがある」と聞いたことはありませんでしょうか?特に赤ちゃんなど小さいお子さまを育児されている方は、どこかで耳にしたことがあるかもしれません。今回は歯周病が人から移るのは本当なのかを解説します。
歯周病は人に移る!
結論から申し上げると、歯周病は人から人に移る可能性があります。産まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には細菌がいません。しかし、食事用スプーンの共有や口移しなどで他人の唾液を介して細菌に感染すると報告されています。赤ちゃんや小さなお子さまだけでなく、大人の方も同じように、飲み物や食べ物の回し飲み・回し食いや食器の共有などで感染する場合があります。
自分のお口の中は健康でも、家族や身近なパートナーに歯周病や虫歯の人がいれば、生活する中で細菌に感染することがあります。「自分は歯周病ではないから」と油断せず、周囲の方の口腔環境にも気を配るようにしましょう。
どんな人が移りやすい?
免疫力が低い・低下している方は、細菌が増殖しやすく、歯周病が移りやすいと考えられています。歯周病の感染は、お口の中に原因菌が入ってきたからといって必ず発症するわけではありません。細菌が増殖しなければ、進行することはないのです。
以下に該当する方は特に注意が必要です。
- 持病に慢性疾患がある方
- ストレスをためている方
- 喫煙している方
- 口の中の環境が不衛生な方
- 妊娠中の方
- ご高齢の方
妊娠中はホルモンバランスの変化で免疫力の変動や口内の血流量の増加が起こるため、歯周病にかかりやすくなると言われています。
歯周病が移るのを防ぐには?
歯周病が移るのを防ぐには、主に「口内を清潔にすること」と「免疫力を上げること」の2点が重要です。実際に、どのような対策をすればいいのか具体的な方法を見ていきましょう。
日常的に丁寧な口腔ケアをする
一番効果的なのは、日々の口腔ケアです。歯周病の原因となる細菌やプラークがたまらないよう、歯と歯茎の間も丁寧に歯磨きしましょう。歯間ブラシやデンタルフロスも活用すると、より隅々まで綺麗に磨き上げることができます。仕上げに抗菌効果があるマウスウォッシュを使うと、口内の細菌をかなり減らせるでしょう。
定期的に歯科検診を受ける
自分ではケアしきれないプラークや歯石などの歯や歯茎の汚れは、定期的な歯科検診の時にクリーニングで除去してもらいましょう。正しい歯磨き指導も受けられるため、日頃の習慣の見直しにもなります。もし虫歯や歯周病にかかっても、早めに発見すれば、早期の治療が可能です。妊娠中の歯科健診も積極的に受けるようにしましょう。
家族間で口腔衛生を意識した生活習慣を心がける
もし一緒に生活している家族やパートナーの方が歯周病にかかっていたら、口腔衛生によくない生活習慣を見直すように心がけましょう。できるだけ食器は別々のものを使用するなどの工夫をするといいでしょう。
免疫力がアップする生活を心がける
睡眠をしっかりとる、栄養バランスがとれた食事をする、ストレスをためないようにする、といった免疫力がアップするライフスタイルを心がけましょう。喫煙している方は、できる限り禁煙することが望ましいです。
まとめ
歯周病が人から移る理由や予防法を解説しました。自分だけでなく、周りの方のお口の健康を守るためにも、日頃から口腔ケアを徹底することが重要です。特に免疫力が低いお子さまやご高齢の方、妊婦さんがご家族にいらっしゃる方は気をつけましょう。さらに、定期的に歯科健診を受けることで、歯周病や虫歯などの問題を早期発見できますので「家族みんなで予防する」という意識が大切です。