歯ぎしり・くいしばりの
自覚がありませんか?
Are you aware of clenching or
grinding of the teeth?
朝起きたとき、なんだか顎や口周りの筋肉が疲れている。そう感じることはありませんか?歯ぎしりにはストレスから身を守る大切な機能があり、誰にでもみられる現象ですが、就寝中である為、自分の歯ぎしりに気が付かない方も多くいらっしゃいます。
歯ぎしりはギリギリという音を立てるものだけに限りません。 咬合習癖(こうごうしゅうへき)といって主に3つに分類されます。
グライディング
(歯のこすり合わせ)
- 強い力で上下の歯をこすりあわせる臼磨運動(きゅうまうんどう)。きしり音が聞こえる、一般的な歯ぎしり。
クレンチング
(歯の噛みしめ・くいしばり)
- 上下の歯を強く咬みしめる症状。寝ている時に限らず、日中にも起こり、音が出ないことが多い。
タッピング
(歯を鳴らす)
- 上下の歯をカチカチとぶつける症状。昼夜を問わず起こり、自覚症状はほぼない。
音のしない歯ぎしりを含めると、成人の9割以上の人が何らかの歯ぎしりをしていると言われています。常習の人の場合、毎晩のように1時間以上、非常に強い力で歯をこすりあわせています。その際歯にかかる負荷は、自分の体重の2〜5倍。食事で噛む力はせいぜい10kg程度なので、歯ぎしり・食いしばり時はその何倍もの力が持続的に歯にかかっていることになります。
お口の中のトラブルの多くが細菌と過剰な力によって起こります。歯だけでなく、口腔周囲の筋肉や顎の関節を含む広い範囲に悪影響を与える悪い歯ぎしりは治療(予防)が必要となります。
放置しておくと危険な
「悪い歯ぎしり」を
してないか、チェック!
- 家族や友人などから、歯ぎしりを指摘されたことがある。
- 朝起きたとき、顎にこわばりを感じることがある。
- 食事のときに口を開けにくいことがある。
- 昼間でもふと気付くと歯を噛みしめていることがある。
- 下の歯の内側の歯肉に骨が盛り上がったところがある。
- 頬の粘膜に盛り上がった細い線が付いている
- 舌の両脇にくぼみのように歯の跡が付いている。
- 詰め物・被せ物がよく取れる。
- 知覚過敏で歯がしみる。
- 歯が摩耗したり、すり減ったりしている
歯ぎしりによる二次障害
顎関節症と睡眠時無呼吸症候群
歯ぎしりによる二次障害のなかでも、最近増えているのが「顎(がく)関節症」です。この病気は、口を開けようとすると顎の関節がカクカクとなって痛みが出たり、ゴリッと音がしたり、あごの筋肉がこわばったりして、口が開けにくくなるものです。悪化すると口を開けようとすると痛みが出るため、口を開けにくくなり、食事が満足にできなくなることもあります。
一方、歯ぎしりは、睡眠時無呼吸症候群と関連があるとも指摘されています。以前から、大きないびきと睡眠時無呼吸症候群との関連が指摘されていましたが、歯ぎしりのあとに無呼吸状態になるケースが多くみられます。明確な因果関係はまだわかっていませんが、歯ぎしりがひどい場合には、睡眠時無呼吸症候群を起こしている可能性があります。
歯ぎしりの予防と改善
歯ぎしりの予防法として主に選択されているのはマウスピースを使用した方法です。 自分の歯型に合ったマウスピースを就寝中に装着することで、上下の歯が直接触れないようにします。
① 歯のすり減りを防止する
歯の代わりにマウスピースがこすれますので定期的な咬み合わせの調整が必要です。
② 歯列をマウスピースで連結固定することで、歯ぎしりでかかる力を歯列全体に分散させる。
1本の歯にかかる負担を低減し、歯の欠けや摩耗、歯根破折を予防します。詰め物や被せ物の脱離や歯周病の悪化防止にも効果があります。
③ 顎関節の負担を軽減する。
上下の歯を接触させたときの筋肉の過度な緊張をやわらげ、顎関節をリラックした状態に近づけます。
マウスピース療法のメリットは歯を削ったりする必要がなく、可逆的であること、健康保険が適用になることがあげられます。
デメリットとしては「マウスピースの装着だけでは根本的な解決には至らない。」ことです。マウスピースを装着していても歯ぎしりが止まるわけではないので、患者様がマウスピースを装着しなければ効果はありません。
マウスピースには市販のものもあります。お湯で柔らかくし、歯に合わせて成形していくものですが、歯列にジャストフィットするわけではなく、装着時の違和感が残ります。厚みや左右差のために、かえって顎に違和感が出る場合もあり、注意が必要です。
マウスピースを入れられない方、
日中の歯ぎしりにボトックス
当院では患者様のご負担の少ないボトックス治療を導入しています。この治療は、発達した咬筋(顎の筋肉)に 少量のお薬を注入することで、一定期間、歯ぎしりや食いしばりを緩和させることができます。過度な咬筋の動きが抑えられるため、エラ張りの改善や小顔効果も期待できます。歯ぎしり・顎関節症の予防をしたいが、マウスピースを入れると快適な睡眠が妨げられるという方にもおすすめです。
治療費
健康保険適用外 両顎の筋肉(咬筋)で44,000円。 2回目以降は33,000円になります。 |
ボトックス注射のデメリット
・まれに注射による内出血を起こす場合があります。
・施術後、数日間は違和感が残る場合があります。
・定期的に施術を受ける必要があります。
・弾力がある、硬いものが噛みにくくなる場合がある
ボトックス治療ができない方
・妊娠中授乳中の方
・筋弛緩薬等の薬剤やサプリメントを服用している方
・神経筋疾患・心疾患・肝疾患・腎疾患・閉塞隅角緑内障を
患っている方
ボトックス治療Q&A
痛みはありますか?
注射を打つので、針を刺す感覚はありますが、皮膚用表面麻酔薬を使いますので痛みはほとんどありません。
ダウンタイムはありますか?
ダウンタイムはありません。注射後、そのままご帰宅いただけます。
治療後の注意事項を教えてください。
術後1日ほどは、なるべく患部を触らず、激しい運動や過度な飲酒、長時間の入浴は避けましょう。
薬剤が拡散しない様、顔のマッサージも翌日まで避けてください。
治療の効果はどれくらい続きますか?
ボトックスの効果には個人差がありますが、3ヶ月から6ヶ月を目安としています。1度打ったからといって、効果が永続的に続くわけではありませんので、歯ぎしり・食いしばりがなくなってきたと実感できるまで、定期的にボトックス注射をすることをお勧めします。